クリント・イーストウッドによる続く硫黄島の第2弾の「硫黄島からの手紙」を観た。 アメリカが5日で落ちるとされた硫黄島戦を、日本軍側の視点から描いた硫黄島陥落までの36日間の戦闘を描いた作品。
なんと21,000人のうち、生還したのはわずか1,000人だったという。先に「父親からの星条旗」を観ていたので余計に心頭できた。日本人でさえほとんど知らないこの題材をこうやって公にしたイーストウッド監督に畏れ入るばかり。
陸軍中尉、元馬術競技金メダリスト、パン職人、元憲兵、そしてアメリカ人の兵士も家族への思いは皆同じ。手紙を前にする時だけは皆同じ顔。なのに何故こーいった状況になっているのか・・・。
一緒に観たムスメが印象的だと言ったのが、栗林中将の「家族の為に死ぬことを決意したのに、その家族を思うと死ぬことが出来ない。」という台詞。確かに・・・戦場では家族を守るためだと自分の死を納得している葛藤が伝わってくる。それにしてもあの状況での栗林中将の人間性には感服するばかり。そしてやはり正しい人として描かれる元オリンピック乗馬選手も死に様は生き様そのもの。栗林中将の奇策に逆らった中尉の皮肉な末路を見ても「生きたように死ぬ」という言葉を実感した。
「天皇陛下万歳!」「靖国で会おう」の重さを感じるとともにこの台詞の作品は日本では撮れなかったかなと再度クリントイーストウッドに敬服。
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