MOVIE      2008年映画館で観た感想 (基本的にレンタル鑑賞は含みません)

 






























      

ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌
ブレス
P2
ハプニング
譜めくりの女
ミラクル7号
花より男子ファイナル
西の魔女が死んだ
4ヶ月、3週と2日
ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
インディー・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国
JUNO/ジュノ











ラスベガスをぶっつぶせ
ノーカントリー
俺たちフィギュアスケータ

つぐない
君のためなら千回でも
ハンティング・パーティ
ザ・マジックアワー
ヒトラーの贋札
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
幻影師アイゼンハイム
マリア・カラス最後の恋
レンブラントの夜警
ぼくたちと駐在さんの700日戦争
ミスト
最高の人生の見つけ方
さよなら。いつかわかること
トゥヤーの結婚

歓喜の歌
ペネロピ
紀元前1万年前
うた魂♪
悲しみが乾くまで
プライスレス素敵な恋の見つけ方
ランジェ伯爵夫人
王妃の紋章

フィクサー
潜水服は蝶の夢を見る
クローバーフィールド/HAKAISHA
ぜんぶ、フィデルのせい
マイ・ブルーベリー・ナイト
SweetRain死神の精度

ダージリン急行
チャプター27
魔法にかけられて

バンテージ・ポイント

明日への遺言
ジャンパー
ライラの冒険
いつか眠りにつく前に
マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋
エリザベス:ゴールデン・エイジ
アメリカン・ギャングスター
陰日向に咲く
結婚しようよ
テラビシアにかける橋
ラスト、コーション
スウィニートッド
パンズ・ラビリンス
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記
長江哀歌



2008/8/8 【 ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌 】
昨年の「ゲゲゲの鬼太郎」から1年経って、2作目「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」を観た。
前回の最大の不満は後半からSFアクションになった点だったけれど、今回も怨霊の塊がまるでトランスフォーマーにでも出てきてもおかしくないような‘がい骨ロボット’になってしまったのにはがっかり。
‘ウロコ’の描き方もぬるい。もっとキモク背筋がざわぁ〜っとするくらいじゃなきゃ。それでも‘濡れ女’の恨みを軸にしたストーリー展開は良かった。演じた寺島しのぶはイメージ的にもピッタリで‘蛇骨女’は佐野史郎だと気づかないほどで感心した反面、大御所緒方拳の‘ぬらりひょん’のインパクトがなかったような。
本木克英監督は前作と同じなので、前作カラーと似たようになったのは仕方ないことかもしれないけれど、3作目はこのオリジナルメンバーのキャステングはそのままに、もっとおどろおどろしく描いて欲しい。




2008/8/1 【 ブレス 】
キム・ギドク監督の「ブレス」を観た。
自殺未遂を繰り返す死刑囚と孤独な主婦の愛。キム・ギドク色満載で、今回も最小限の説明と台詞が良い。
なんでもかんでも台詞で説明しがちな映画とは対極。このそぎ落とし感と奇想天外な発想が今回も描き出される。鬼才といわれるが本当にこの監督の作品は今回も例にもれず先が読めない。
死刑囚はどんな理由で家族を殺しこうなったのかの背景は語られることがなかったけれど端正な顔立ちはどっかで見覚えある・・・と思ったら「呉清源/極みの棋譜」のチャン・チェン。台湾のチャン・チャンが日本語の次は韓国語まで話す・・・?かと思いきや一切の台詞はなかった。
一方の主婦ヨンはとても美人とはいえない女優(チア)を採用したのが功を奏している。夫の前では寡黙で表情も暗いだけに刑務所でのギャップに笑わせてくれる。♪ぼん ぼん ぼん 春がきた♪には口ぽか〜ん。その刑務所での展開には驚くが、それを見守る看守役がキム・ギドク自身だというのにも驚いた。やはりキム・ギドクの映画はただものじゃない。




2008/7/31 【 P2 】
P2」を観た。
タイトルのP2とは「地下2階の駐車場」。
美人の主人公が白いドレス姿で、ストーカーから逃げ惑う。
ビルの地下駐車場で正門が閉鎖され、電灯が消え、携帯も通じないって大都会の死角。実際にあったフランスでの事件を元に考えられたというから そう日常にかけ離れたのもでないことがコワい。
いつも何気なく利用している駐車場って確かに人気がないと不気味。そーいえば横浜在住時に長後駅付近の日中でも薄暗い駐車場をドキドキしながら利用していたことを思い出した。
本来ホラー系の心臓バクバク映画は苦手なので、この作品のギャーギャーキャーキャーのヒロインの叫び声と、来るぞ来るぞと思わせる効果音に結構びびった。
血しぶきもありで こーいうの苦手(-_-;)




2008/7/28 【 ハプニング 】
ハプニング」を観た。
あの「シックス・センス」のナイト・シャラマン監督ということで期待したのだけれど、よくよく振り返るとシャラマン監督の作品で満足したのは「シックス・センス」だけで、その後の「アンブレイカブル」「サイン」「ヴィレッジ」と軒並み外しているような(-_-;)。(レディ・イン・ザ・ウォーターは未見) 
今回もなんかがっかり。この異常現象は何だったのか が さらりと根拠なく予測として述べられるだけ。何故東海岸に限定されたのか 何故大人数から被害にあうのか etc 謎は謎のまま。これじゃナンだってありじゃん。しかも人間嫌いの1人暮らしの老女宅で無駄に怖がらせるしぃ。
生き延びた人は何故生き延びたのかもわからず 一連の事件から3ヵ月後に飛んだラストがまたしても謎のまま。消化不良。




2008/7/25 【 譜めくりの女 】
仏映画「譜めくりの女」を見た。
審査員であるピアニストのとある行動が少女を傷つけ、それから10年後・・・・・。成長した少女が再びピアニストに再会して専属の「譜めくり」となってどう復讐するのか・・・というミステリアスな話。
相手の家庭に入りこんでの復讐劇で思い浮かぶのは「キング罪の王」だが、今回の手法はちょっと予測がつかなかった。プラス「キング罪の王」の復讐は理由にうなずけるものがあるが、こちらはその原因にインパクトがなかった。
確かに少女は傷ついただろうけれど、ピアニストに悪意がなかっただけにあの一件でここまで引きずられるって、この‘譜めくり’はコワすぎ。
透明感のあるきれいな女性が静かにひたひたとでも確実に人の心に入りこんでくるところなんかの心理劇は興味深かった。
85分に無駄なくまとめられた展開はフツウには最も難しい方法と思えるだけに、譜めくりの計画通りに運んだとしたら・・・あまりに上手いこと行き過ぎているような・・・。




2008/7/9 【 ミラクル7号 】
ミラクル7号」を観た。
チャウ・シンチー(周星馳)が監督+主人公の父親役。なんと主人公の少年を演じたのは中国全土1万人から選ばれた少女。少女???えええええ〜っ!!これに驚いてはいけない。なんとガキ大将も実は女の子だし、ガキ大将の用心棒は実は女性で、巨漢の少女は男性レスラーだとか。
宇宙からの‘謎の生物’の登場は「E.T.」とリンクということでアジア版「E.T.」。
「貧乏でもいい、ウソはつくな。盗みはするな。ケンカはするな」と子育てをする父、将来の夢を「貧乏人になりたい」と言い切れる子供・・・建設現場での父と学校での息子のそれぞれの日常におけるひたむきさが良い。言葉だけではなく貧乏に負けない父子の明るさと真っ直ぐさが心にしみる。
そして主人公に‘ミラクル7号’と名づけられたのこの生命体の表情がお見事で釘付け。究極の癒しキャラ登場。
痛快な笑いの要素もちりばめられていて「泣けるSF」と言われているだけにここまで笑えるとは想像外・・・なんか思わぬ拾い物をした気分。CGも見応えあるし主人公の少年の内面も丁寧に描いていて大満足。
Sunny"I Like Chopin♪の曲が絶妙に使われていて秀悦。




2008/7/9 【 花より男子ファイナル 】
花より男子ファイナル」を観た。
神尾葉子による原作は5800万部の日本1の売上の少女コミック。
そーいえばムスメここあもこのコミックにはまり、知らぬ間に部屋に隠し持っていた。Canadaに発つ時にダンボールに入れてクローゼットの中にしまいこんだハズ。
私は原作もTVドラマも観ていない。今回の映画の前売券の発売枚数が1ヶ月で史上最高となる東宝配給作品実写映画記録となったと聞いても、なにしろ主演が松潤と井上真央だしぃ・・・全く興味を惹かれることもなくスルーしようと思っていた。が・・・、
公開を待っていたかのようにCanadaからのメール「花男観たい観たい観たい」と数ヶ月ぶりの国際電話でも「花男花男花男」callで重い腰を上げた。
展開は一言で「有り得ない」。つっこみどころ満載。だけど、漫画の1ページ1ページが想像できるようなシーンの連続は意外と面白かった。F4の面々は少女コミックならではのboys像をそのままなぞっていてキャラの完成度はたいしたもの。
無理なストーリー展開はさておき、ラスベガス・香港・無人島・日本と駆け巡るコミックの空気感プンプンの世界観は楽しめた。




2008/7/1 【 西の魔女が死んだ 】
梨木香歩のロングセラー小説を映画化した「西の魔女が死んだ」を観た。
おばあちゃん家に孫が預けられるってことでは韓国映画「おばあちゃんの家」とリンク。あちらと共通するのはおばあちゃんの無償の愛、そして決定的に違うのが自宅へ帰るお別れ時の孫の心情。
清里に建造したというオープンセットはちょっとした雑貨やハーブ類そして食卓風景etcとカントリー好きには本当のカントリーライフをみられるという意味でオススメ。カントリーライフに馴染んでも所詮都会人には芋虫とミミズが無理ってのもリアリティがあるかも。
おばあちゃん役のサチ・パーカー(シャーリー・マクレーンの娘)がこのカントリータッチの作品にマッチして洋書の1ページのよう。とても丁寧な日本語で柔らかいトーンで語る人生訓の言葉の一つ一つに聞き入ってしまった。
このおばあちゃんの子供がどーして、自分の子供を「扱いにくい子」と言えちゃうようになるのか・・・。こんなステキなおばあちゃんでさえ子供も孫もビミョウな距離感を持つのが切ない。
ラスト近くの意外にもおばあちゃんが静かに煙草をくゆらすシーンは台詞がなくてもそれだけで内面を吐露しているようで良かった。
ゆる〜く時間が流れる中、おばあちゃんの「自分のことは自分で決める」というメッセージが大自然とともに描かれている。




2008/6/28 【 4ヶ月、3週と2日 】
2007年カンヌ国際映画賞パルムドール受賞作の「4ヶ月、3週と2日」を観た。
1987年のルーマニアでの中絶事情は1950年のロンドンを舞台にしたイギリス映画「ヴィラドレイク」を思い出させ、違法行為と知りつつこれに関わった人もがどんなに危険だったかをつきつけてくる。
この映画では主人公がルームメイトの為に奔走した1日を描く。
ルームメイト・闇手術をする医者・主人公の彼氏・ホテルの従業員etc救いようがなく描かれていて、特にルームメイトの自分勝手さに呆れるばかり。まぁ冒頭の「キャンプに行くみたいね」の台詞からこのルームメイトの人間的ズレは予感できたけれど・・・。
融通のきかない管理された社会背景とともにルーマニアという国の閉塞感に息が苦しくなってくる。一体何回「ID」という言葉が出てきたことだろう。しょ〜もない人々&しょ〜もない状況だけに、それでも1人駆けずり回る主人公にチャウシェスク大統領による独裁政権の異常さを感じた。
テーブルを挟んで座った2人のなんでもない会話で唐突のエンド。そして映画の救いのない雰囲気とかけ離れたエンドロールで流れるラブソングはあまりに‘ノー天気’。このラブソングこそが私達のお気楽な現実の象徴なのかも。




2008/6/26 【 ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 】
ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」を観た。
イケメン王子のニューヒーロー誕生ということで‘カスピアン王子’のベン・バーンズは大人気らしい けど なんじゃい この「ラーメン つけ麺 ぼくイケメン」風のこのヘボ王子は・・・。自己中の足手まとい王子じゃん。何もしないし頭の中カラ?この王子に関して見せ場無し。むしろ4人兄弟の長男ピーターの方が主役でしょう。敵対するミラースとの戦いだって怨念のあるカスピアン王子自身がやるべきなのに・・・。
レンタルで鑑賞した前作はまだストーリー性があったけれど、今回は戦いばかり。まぁ血しぶきが出ないので安心して観れるという点ではファミリー向けのディズニーらしく良いのかも。
見せ場の見応えある戦闘シーンは、巨鳥シーンは「ハリポタ」を思い出すし「ロード・オブ・ザ・リング」的シーンもありで、ここまでファンタジー映画が続くと他の映画のシーンと重なったりするのは仕方ないことか。
‘アスラン’はあまりにも存在感あり過ぎて4人兄弟もカスピアン王子も存在がかすんでしまった(-_-;)。ただ「懐中電灯・・・・・」の台詞で終わるのはなかなか良かった。




2008/6/24 【 インディー・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国 】
「最後の聖戦」から19年後の「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」を鑑賞。
主人公のハリソン・フォードは64歳だとか。インディ・ジョーンズここに参上!という感じで、よくまぁ相変わらずの身のこなしでアクション場面も年齢を感じさせない。
前作から19年にわたって練られた最新作ということだったが、いくつか不満が残った。まず、核実験のシーン。きのこ雲をまじまじと眺めているのアリ?でしょうか?やはりここはきのこ雲シーンとインディは時間差を持つべきでは・・・?
まぁその後のシーンの後は快調で楽しめた ながら・・・この映画の最大の不満にもなっているのが後半。
監督のスピルバーグ・製作総指揮のルーカス・主演のフォードの3人全員の意見の一致を重要視したという脚本だけれど、「ショーシャンクの空に」「グリーン・マイル」「ミスト」のフランク・ダラボンが1年がかりで書き上げた脚本にスピルバーグとフォードが大乗り気ながらルーカスがダメ出ししボツになったというワリにこれですか?
ルーカスさえいなければ・・・と思わずにいられない(-_-;) 
なんでSF???ダラボン脚本版を観たかったぁ。冒険アドベンチャーはSFとは違うでしょ。台無し。ラストでこけるとはこのこと。あ〜あ〜。




2008/6/17 【 JUNO/ジュノ 】

わずか7館での上映が口コミhitしアカデミーで主要4部門ノミネートした「JUNO/ジュノ」を観た。
10代の望まない妊娠をめぐる一連のことが、驚くほど淡白に描かれている。
よくわからないけれど多分にギャル語チックなスラング満載なのと、責任を自分で背負い人に押し付けずイジイジしない主人公の前向きさがアメリカでは受けたのかも。
でも、妊娠を取り巻く環境も日本と違いがあり過ぎることと、何より周囲の物分りの良さに戸惑ってしまった。
父娘の会話の後、何を思ったかこれまで隠していた気持ちにJUNOが気付くシーンがあるけれど、「腹を見ないで顔を見てくれる」というあの優柔不断のボ〜ッとした彼にはドン引き。加えてアノ里親の旦那はなんじゃい・・・子供じみていて呆れるばかり。
どよ〜んと重いテーマをいかにライトに描くかがこの作品のテーマなのかもしれないけれど、こんなんで良いワケないじゃんというのが正直な感想。





2008/6/17 【 ラスベガスをぶっつぶせ 】

ラスベガスをぶっつぶせ」を観た。
カード・カウンティングという「必勝法」によってブラックジャックで大もうけをするという物語。MIT(マサチューセッツ工科大学)の数学の天才学生たちの実話を基にした大ベストセラーをもとに映画化したというから驚く。数学の能力ってここまで実社会で活かせるもんなんだ。
原題は「21」。これはブラックジャックのルールが21を超えない範囲で21に近い方が勝ちということによるらしい。けど、ブラックジャク知らないのでカード・カウンティングのシーンがまるでわからない。知識あったら数倍この映画楽しめたのかもと思うと悔しい。数学ならぬブラック・ジャックも勉強しておけば良かったかも。
最初は学費分を稼ぐだけといっていた青年が徐々にカネの魅力に取り付かれていくあたりが人間の弱さで、まぁここまでは予測できたのだけれど、意外にもそれで終わらない展開が待っていて意表をつかれた。
主人公のイケテナイ親友2人がサプライズでめちゃくちゃ良い後味を残してくれた。





2008/6/15 【 ノーカントリー 】
アカデミー賞作品賞受賞の「ノーカントリー」を観た。
偶然200万ドルを手を出したため追われる者・追う殺し屋・保安官の3人が主要人物。
殺し屋シガー役バビエル・バルデムが助演男優賞を取ったので、では誰が主役なのかと考えてしまう。ここでタイトルの「ノーカントリー」だけでは分からないが、原題の「No Country for Old Men」でハタとこの映画の背景がやっと見えてくる。この映画が「祖父も父もそして私も保安官だった」で始まり、ラストでは夢に見た父親と世の中への吐露の台詞で終わることでOld Menとは3世代の保安官のことだと理解。
ということで主演の保安官(トミー・リー・ジョーンズ)がかすむくらい圧倒的な存在感なのが、追われるモス(ジョシュ・ブローりン)と追う殺し屋シガー(バビエル・バルデム)だ。特にボンベ式のエアガンで撃ちまくりヒタヒタと獲物に接近していくブキミさったらない。あの奇妙なヘアスタイルはトミー・リー・ジョーンズが持ってきた80年代のメキシコ国境付近での風景写真に写っていた男の髪型を採用したものだという。「ハンニバル・レクター以来の死の運び屋」と言われるようにキャラクターを見事に確立してくれた。
モスの殺害や200万ドルの行方など敢えて見せていないのは観客の判断に委ねているのでしょう。
ラストの保安官の吐露が漠然としていただけにそのままendというのは中途半端感が残った。




2008/6/13 【 俺たちフィギュアスケーター 】
俺たちフィギュアスケーター」を観た。
レンタルで鑑賞した「主人公は僕だった」のウィル・フェレルと「バス男」のジョン・ヘダーの2人によるフィギュアペア。
この映画のために数ヶ月にわたる厳しい特訓をしたというだけに笑えるだけじゃなく、実際どっこまで演じてたのかかわからないながらも芸人魂に感嘆する。特にウィル・フェレルはあの年齢であの体型でどれだけ頑張ったのだろう。
それにしてもアイスダンスのような突き抜けたショー要素たっぷりで、フィギュアってこーいうのアリ?という既成概念を見事に覆してくれた。
設定自体面白いけれど、それに輪を掛けてそれぞれのフツウじゃない衣装も技もよくここまで考えられたものだ。キャッチコピーの「氷が溶けるほど暑苦しい男同士のスケーティング」は本当だった。
音楽もCG効果による迫力ある演技も楽しめるが、コメディでありながら下ネタ満載のためファミリー向きではないので要注意。




2008/6/12 【 つぐない 】
ベストセラー小説「贖罪」を映画化した「つぐない」を観た。
助演女優でノミネートされていたシアーシャ・ローナンを含め3人の女優が3世代のブライオニーという一役を演じているが、観終わって思ったのは、このブライオニーが助演ではなく主役だってこと。自分のせいで姉とその恋人の運命を狂わせたという‘一生かけて償わなければならない罪’と葛藤を描く。
イギリスの裕福な家の演出は美しく、姉妹それぞれの時代を感じさせる白いスイミングキャップと水着も目に焼きつく。進んでは戻るという展開は姉・妹・恋人の3者からの視点を描くのに効果的。
ただ従姉を襲った犯人は最初の登場時の表情で察しがつくし、当人自らの告白という形の‘台詞’で知らせるという手法が嫌いな為、この作品の見所になっている‘ある真実’を描く展開が意表を突くとまではいかなかった・・・。そーいう意味では「幻影師アイゼンハイム」の方が勝っているし、同日に観た「君のために千回でも」が‘罪の意識’‘作家’‘戦争’とこの映画とリンクする箇所が多くアチラがあまりに良過ぎたせいかこの作品はかすんでしまった。
でもこの映画で一番良かったのはイギリス軍のダンケルクの撤退のシーン。この疲弊しきった空気感は見応えあった。




2008/6/12 【 君のためなら千回でも 】

君のためなら千回でも」を観た。

観終わって動けなくなるほどの映画は年に何本もないけれどこれはその貴重な1本。なんて深い作品なんだろう。この映画を振り返る度に胸がつまってくる。
原題は「The Kite Runner」で凧を走らせる者。これは主人公アミールの親友であり召使のハッサンのこと。前半今まで見た事がないような激しい凧上げ合戦にかなりの時間を割いているがこれが後の伏線となる重要なシーンになっていてる。
邦題の「君のためなら千回でも」は本編では台詞として2回登場し、特に2回目は紆余曲折の後だけにグサッと突き刺さる。でも日本語ではこの言い回しはフツウしないでしょ。ニュアンスは‘君のために生きる’‘君を見守る’って感じでしょうか。
悲劇の舞台となるアフガニスタンをソビエトへの嫌悪感+タリバンへの恐怖感を絡めて描く。恒例なイベントだった凧揚げ合戦さえ失われたアフガニスタンという国がタイバンの武装兵士にどんな風に支配されていたのかに愕然となる。
主たる3人の子供達はカブールで暮らす一般人で本作が俳優デビューだというから驚く。そしてアミールの強い父はもちろんのこと 出番は少ないながら人種を超越したプライドあるハッサンの父親にも感嘆させられる。
豊かなアメリカで昔の贖罪をつぐなうべく1歩を踏み出した主人公に向けられた孤児院の経営者の「1人を助けても残り200人の子供は見捨てるのか・・・or1人の犠牲で200人を助けるのか」という厳しい台詞と、タリバンの1人から投げつけられた「本国に留まらず他国へ逃げた人間」という台詞がそれぞれ痛烈。
良心に目覚めた主人公の内面にメスを入れこれでもかと深くえぐり出そうとしていてお見事。





2008/6/11 【 ハンティング・パーティ 】

ハンティング・パーティ」を観た。
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が終結して5年後のサラエボでアメリカ政府が500万ドルの懸賞広告を出した戦争犯罪人フォックスを巡る再起をかけた戦場ジャーナリスト・相棒カメラマン・新米プロデューサーの3人の命知らずの旅。とは言ってもカメラマンの「冒涜かもしれないが戦争を報道する死と紙一重のスリルは病み付きだ」とあるように自分で決めた選択。
この3人の会話が結構笑えるので社会派ドラマと言ってもユーモアを感じられる。
実在するジャーナリストがボスニアで体験した驚愕の事実にフィクションがミックスされたというが、エンドクレジットでどれが事実で誰が実在するのか明かされる。エンドロールといえば♪戻るも行くもおまえの自由♪という歌詞のアフガンミュージシャンによる歌が渋い。
でも、この3人が考えたフォックスの処遇にはなんだかがっかりしちゃった。あんなんで良いの?あそこまで危険おかしてあれじゃ詰めが甘いような・・・。
フォックスは実在するラドソン・カラジッチという人物がモデルらしいけれど、何故今も逮捕されないのかという数ある理由には驚いた。これはある意味アメリカへの内部告発に近いのかも。アメリカって意外と自国の傲慢さを批判している作品を描いているものが少なくないのは風潮なのかな。
今でもフォックスが捕まらないのは国連やCIAがビン=ラディンのことで忙しいからだろう。な〜んて説明もあったけれどもしオサマ・ビン=ラディンがまだ捕まっていない裏にも似たような複雑な駆け引きが絡んでいるとしたらやってらんないなぁ。





2008/6/9 【 ザ・マジックアワー 】

三谷幸喜の「ザ・マジックアワー」を観た。
正直前作の「THE有頂天ホテル」はそれほどでもなかったので話題性ばかり先走っているのかと期待せずに鑑賞したら・・・これが結構笑えた。
「マジックアワー」とは夕暮れのほんの一瞬でもっとも美しく見える瞬間だとか。ここで描いているのは「誰の人生にも輝く瞬間=マジックアワー」があるというのがテーマとなっている。
まずは練られた脚本に感心。
コメディに佐藤浩市が出演したというより今回佐藤浩市自身がまるでコメディアン。よくここまで演じたし、これをやらせてしまう三谷幸喜って・・・いったい。佐藤浩市は「こんなに愛される役は始めて」と言っているようにこの映画で高感度upしまくり。
主演はもちろん全体的に‘クサイ’映画でそこが面白い。脇役陣の中でも小日向文世・寺島進・伊吹吾郎はさすがのキャスト。
リアリティのない中で逆に裏方の照明さん・スモーク屋さんetcが実にリアルな職人の技を見せてくれたのが印象的。エンドロールにオールセットのこの街が完成するまでが早送りで映し出される。まさに裏方さんの仕事というものをみせてもらった。





2008/6/8 【 ヒトラーの贋札 】
2007年度アカデミーで外国語映画賞受賞「ヒトラーの贋札」を観た。
ナチス・ドイツの強制収容所で行われた「ベルンハルト作戦」という偽札作りの実話。タイトルに合えて「贋札」の漢字を使っているこだわりに感心する。
主人公サリーは仲間を含めた命を助ける為にも「今日銃殺されるより明日を」の考えの中行動する。
この映画では緊迫感に包まれた追い詰められた同胞の苦しみや葛藤を描いているので、そんな異常な状況下でも正義を唱える仲間の1人ブルガーの勇気は 一人よがりの異端児にさえ見えちゃう。
それだけになんと、そのブルガーがこの原作者とは驚いた。でも原作者と対極のサリーを主人公におくことで‘正義’より‘生’をというメッセージがより伝わっているのよね。
強烈だったのが、主人公が家族の死を泣く仲間に「ナチの野郎が喜ぶだけだから、泣くのは止めろ!」と言った台詞。抜け目なく立ち回っているようでいて終始表情を崩さない主人公の心の奥を覗いたようで胸がつまった。
冒頭とラストにモンテカルロのカジノに興じる姿があるけれど、そこには勝っても負けても全然動じないサリーがいた。命の尊厳がかかった経験をした者にはもうお金で心が動くことはないのでしょう。う〜ん深い。




2008/6/3 【 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 】

今年のアカデミー賞でダニエル・デイ・ルイスが主演男優賞を受賞した「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を観た。
いやぁこの主人公はすごい。揺るぎない+迷いがない。冒頭からサイレンのようなオーケストラの不協和音の中、主人公が油まみれでその身を挺して全身全霊で格闘しているシーンから目が釘付け。この音楽効果はかな〜り効果的。
アメリカンドリームというが身を挺した姿は半端ない。なんでもかんでも詰め込む作品が多い中、この作品に女性は登場しないのも良く、あくまで主人公の石油を求めた生き様を癒しの類とは無縁に描いているのに圧倒される。油まみれというか油ギッシュな人生なのよ。
対立するのがカルトめいたイーライ牧師。これを演じたポール・ダノつながりの出演作「キング罪の王」で登場する偽善者の牧師(ポール・ダノの父親役)とダブルくらいこの映画では宗教者の偽善も描いている。きれいごとを言っている牧師と手段を選ばない主人公を見比べても本能むき出しの主人公の方がなんだかまともとに思えてしまう。

終盤に映る主人公の豪邸にボウリング2レーンがあったのに目が釘付け。今でも1レーン1,000万円と言われているものだけれど自宅にボウリングレーンとは・・・。この演出にも参りました。
Blood’とは石油のことでもあり血という意味も含む。石油だけではなく宗教や血縁にも一石を投じるようなアメリカのタブーに取り組んだ作品だった。





2008/6/2 【 幻影師アイゼンハイム 】
シャンテシネで「幻影師アイゼンハイム」を観た。
原題「The Illusionist」とあるように所謂イルージョンなのだけれど敢えて‘幻影師’と言っているのがピッタリくるのが納得のような時代を感じさせる時代的な重厚感のある作品だった。
映画では幻影師の目線ではなく、第3者の警部の目線なのでマジックは観客目線。なのでイルージョンを楽しむ立場ということで種明かし無くて良いという設定なのかもしれないけれど、私はなんかひっかかると言うかスッキリできなかった。というのも映画の中での主人公のマジックショーがどんだけ凄くても目の前で見ているワケじゃないのでCGとかあらゆる技術がある映画で見せられても驚かないし、最後まで種明かしのないマジックにはフラストレーションが溜まっちゃう。
今でもあの客席を歩く少年の霊はどーやったのか分からないし知りたくてしょーがない。イルージョンはわからないから面白いとも言えるからこの点では意見は分かれるのかも。
総じてこの作品の満足度が高いのはラストの警部の表情の意味によるものと思われ自分が何を観てきたのかを問われるということに起因しているのでしょう。手法は面白いながらどうも中途半端感が残っちゃった。全体の流れを知った上でもう1度観たい。





2008/5/25 【 マリア・カラス 最後の恋 】

マリア・カラス 最後の恋」を観た。マリア・カラスの映画というより海運王アリストテレス・オナシスの映画のような・・・と思ったら原題は「CALLASONASSIS」だった。
歌姫つながり思い浮かぶのが「エディット・ピアフ 愛の賛歌」。どちらも愛に傷つき翻弄されるが、歌には最後まで裏切られないというのが共通している。
今回マリア・カラスを演じたルイーザ・ラニエリという女優は魅力的だけれど、歌唱シーンはいかにも口パクで、内面的にもキレイに描き過ぎているような・・・。しかも♪カルメンの歌声の吹き替えはマリア・カラスではなくアンナリーザ・ラスパリョージだという。マリア・カラスの映画でご本人の歌を使わないとは・・・これはアリ?すっごい失礼な話じゃないでしょうかねぇ。
さてあまりに有名なセレブ同士の恋愛だけれど、W不倫から始まった恋愛の行き先は予想できたハズじゃん。オナシスのようなタイプに期待するのは甘いょ。
モナコ、イスタンブール、ギリシャ、パリ、ローマ、ベネツィアetc豪華をつくしたセレブの世界はミーハー全開で楽しめた

(^^)





2008/5/24 【 レンブラントの夜警 】
レンブラントの夜警」を観た。
レンブラントの名画「夜警」の制作過程とその後の破滅へを私生活での最愛の妻の死後の2人の女性を絡みながら描いている。
まるで舞台劇のよう。プラス 絵画の中の人物が動いているかのようなシーンは格調高く圧倒された。
「これが夢であってほしい」という冒頭とラストに登場する同じようで否なるシーンが印象的。
レンブラントは市警団のメンバーが不正や殺人などのスキャンダルにまみれたことを絵画で告発しようとして、逆に恨みをかい市警団の思うつぼにはまっていく。
格調高い画面に釘付けながらも・・・う〜ん なんか置いてけぼり。
何しろ登場人物の名前が全然覚えられず服装も誰が誰なのかワケわからなく混乱。加えてすさまじい台詞の洪水についていくのは大変。ということで市警団各々を理解できないうちにどんどん話が進んでしまった。ディテールまで理解するには1度だけでは難しいかも




2008/5/21 【 ぼくたちと駐在さんの700日戦争 】

ぼくたちと駐在さんの700日戦争」を観た。
(半分)実話だという原作は人気ブログ小説。1979年とある田舎町を舞台に高校生達と駐在さんのイタズラを巡る攻防…ということで、ある意味内容はしょーもないとも言えるのだけれど注目はインベーダーゲームが大流行し共通1次試験が始まったこの1979年という年代。ぬぁ〜んて懐かしい。冒頭から♪夢想花♪飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って〜〜だしぃ。当時の時代背景がこれでもかと再現される。余計な心配かもしれないけれど、市原隼人主演でポスターにも1979年があまり強調されていなかったのでこれにノスタルジーを感じられる世代へのアピールの仕方が足りないのではないかと感じた。
イタズラ7人組に引っ張られて、やられたらやりかえす大人気ない駐在さんを佐々木蔵之介が好演。
気に食わない相手に陰湿な行為をしがちな今の時代から見るとイタズラの発想がとても健全で楽しんでいるのが微笑ましかった。卒業まで彼らの熱いバトルはまだまだ続くようで〜す。





2008/5/16 【 ミスト 】

ミスト」を観た。
スティーブン・キングの小説「霧」を「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」のフランク・ダラボンが監督・脚本をつとめ映画化。
同じ時期に制作された映画というものは何かしら似てくるのかわからないけれど霧の中から現れる‘触手’を見て、クローバーフィールドHAKAISYAの謎の生命体を思い出した。こちらも最後まで全体像がわからないままだしプラス白い霧に包むという手法なのでより不気味。
スーパーに閉じ込められ追い詰められていく人々の不安・パニック・疑念・反発・暴力・対立・そして狂気に変貌していく様子が臨場感いっぱいに描かれている。これは襲ってくる敵とは別に心の底から戦慄せずにはいられない。1番コワいのは人間かも。
人間の傲慢さを不条理で表現したのかもしれないと思われるラストは、原作を変更した監督の案だという。「霧の中には‘何’が待っていたのか―映画史上かつてない、震撼のラスト15」「霧がすべてを覆い尽くし、やがて最後の審判がくだされる」というキャッチコピーが過剰広告でなかったとは・・・。ズシンとした衝撃は予想を超える‘裏切り’そのもの。ショッキングながらこーいう終わり方の映画って新鮮。
「待てば海路の日和あり」この言葉に尽きるゎ。





2008/5/13 【 最高の人生の見つけ方  】

最高の人生の見つけ方」を観た。
余命6ヶ月と宣告された人生の終わりを迎えつつある2人が最後の冒険を体現したドラマ。この2人とは、夢を諦めても家族の為にささやかに正直に家族と暮らしてきた男と、家族を省みず強欲に仕事で財を成した男。モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンの共演ということでも期待大。
残された時間は諦めた別の自分の人生を「棺おけリスト」を実現することで果たしていく。「スカイダイビング」「マスタングを乗り回す」「ライオン狩」「最高級のレストラン」「タトゥー」etcなんだか少年のような2人の表情にこちらも嬉しくなった。余談ながらマスタングつながりで思い出したけれど20代での初めて購入したマイカーは「マスタング」。たった400ドルのボロ車だったけど・・・(-_-;)
片方が巨額の富を持っているのでお金で解決するものは糸目をつけずガンガン実現していく。プライベートジェットで世界を飛び回る様子にお金で買える夢もあるなぁと思った()一方お金で買えないリストもあるわけで、特に「世界一の美女とキスをする」は予想外の展開でなんかとても幸せな気持ちになれた。
ある意味豪遊はケタ外れで現実離れしているのでなんだかしっくりこないけれど、この2人の組み合わせだからこそお互いの夢を実現でき半年で一生分笑えたんだと思う。人生のラストこんなに笑えるっていいな。





2008/5/12 【 さよなら。いつかわかること 】

さよなら。いつかわかること」を観た。
戦争で母親を失った家族の物語。アメリカの現役兵士の14.3%が女性で、そのうち約40%が子供がいるそうだ。
訃報を聞いた父親がそれを受け入れられないままに子供達にそれをどう伝えるか悩む姿を描いてる。ジョン・キューザックが中年らしいちょっとくたびれた体格は役に合っているけれど、歳取ったなぁと思った。眼鏡が似合ういかにも賢そうな12歳の長女はその父親の不安定さを察知し気遣いをみせるのに対し、8歳の次女は何も知らず無邪気。本当のことを知った時、一番受け入れるのが難しい年齢なだけにこの天真爛漫な笑顔は痛い。
かつては自分も志願しそこで出会った妻が出兵している主人公と対照的なのが、定職も持たず戦争反対だけを論じる弟。その弟との葛藤や子供達との旅を通してやっと「家に帰ろう」という気持ちになった時にひとつの壁を越えたのかもしれない。
家族を失った喪失と再生の映画といえば最近観て圧倒された「悲しみが乾くまで」が浮かぶ。喪失感に関しては私にはあっちの作品が数倍堪えた。
母親を失ったこの子供達が直面した現実はあまりに悲しいけれど、こーいう辛い経験は人を成長させる。この後も続く心の悲鳴と向き合っていくことは人の痛みがわかるようになるハズ プラス 強くなれるょ。





2008/5/11 【 トゥヤーの結婚 】
2007年ベルリン国際映画祭金熊賞グランプリ受賞作トゥヤーの結婚」を観た。
内モンゴルで下半身不随の夫と2人の子供を支える主人公トゥヤーの物語。内モンゴルの厳しいながら雄大な自然と遊牧民の生活をリアルに描いていて興味深かった。
前半は家族を養うために一身に背負い血の出るような苦労重ねるをしながら黙々と働くトゥヤーを描く。黙々と働く妻、それを寡黙な夫が優しく見守る。それだけでどんなに生活が苦しくてもこの家族は幸せだと伝わってくる。
自分自身が倒れどうにもならなくなった時に「家族と一緒に暮らせることが一番大切なこと」という信念の中、決断したこととは・・・・・。
それが正しいかどうかは映画を観終わっても判断がつかなかった。妻の苦しみも相当だろうけれど、それ以上に夫は妻にその決断をさせてしまった自分の不甲斐なさと悲しみで苦しんでいる。この先その苦しみは癒えることがあるのだろうか?
冒頭と同じシーンがラストでも登場するが、息子の喧嘩とトゥヤーの涙の意味がわかった上で改めて観るとなんとも切なく複雑な気持ちになってしまう。




2008/5/11 【 歓喜の歌 】
 歓喜の歌」を観た。
原作は立川志の輔の最高傑作に数えられる新作落語「歓喜の歌」。
安定にあぐらをかき事なかれ主義で上から目線の公務員のマイナスイメージそのものを小林薫が演じている。ちゃらんぽらんな自業自得のミスによる‘ダブルブッキング’のトラブルを引き起こす。このことで、家庭不和+金銭トラブルに新たに仕事のミスが加わりまさに三重苦。
職場の市民会館での金魚の餌やりも重要な仕事という冒頭のシーンが象徴的。この金魚も後々ちゃんとリンクしてくるから面白い。
立川志の輔も師匠の談志もゲスト出演しているが、登場人物の絡み方がよく練られていると思った。2つのコーラスグループの「セレブ奥様」vs「パート主婦」の対比が面白く、11人のキャラが身近に「こーいう人いるいる」と思われなんか笑える。市井の人々をよくここまでリアルに描き出したものだ。
窮地の中、なんとか解決すべく市民会館の外へ出ることで徐々に自身にも変化が起きてくる。どことなくとぼけた主人公のアタフタに笑いながらもささやかな日常の奇跡にあったかくなった。




2008/5/3 【 ペネロピ 】

ペネロピ」を観た。
ブタ鼻ヒロインのファンタジー。このペネロピワールドが最高。名家というペネロピのお屋敷がすっごい。寝室もお見合いルームも内装が凝っていて楽しい。幽閉部屋とは思えないグリーンの壁に赤い木etcなんてポップでカラフルなんでしょう。キュートなのはセットだけじゃなく、ペネロピのファッションも。家にこもっている時も外に飛び出した時もカラフルで超カワイイ。
雄大な別世界を描いたスケールのファンタジー映画が多い中こーいう現代を舞台にしたおとぎ話はなんか新鮮。
脇役陣も憎めないキャラ揃い。敵となるべく記者役の小人症のレモンがもしかしたらペネロピを一番理解していたのかもしれない。カメラを向けながらやめたラストに人間味を見せてくれた。
呪いのせいでブタ鼻になり隠遁生活を送るペネロペが1歩踏み出していくのに勇気をもらう。コンプレックスにとらわれず自分のありのままを受け入れることで白馬の王子様を待っているのではなく自分が王子様になるというものすごくポジティブな内容だった。





2008/5/1 【 紀元前1万年前 】

紀元前1万年前」を観た。
構想に15年という紀元前1万年前の‘誰も見たことのない世界’。壮大な世界でマンモスやサーベルタイガーや恐鳥がCG技術で迫力で登場。あの時代よく人類は戦えたものだと勇気に感心。この映画はタイトルから想像する歴史的なことよりも、1人の若者の成長を描いた英雄伝説となっている。頼りなかった主人公がこの時代に奪われたヒロインを求めて戦いの旅に出ていく。何故か他の多くの民族はそれらしい中、どう見ても主人公は英語を話す西洋人というのは腑に落ちないけれどまぁ映画ではよくあるパターン。肝心の「青い目の子供の伝説」が青い目のヒロインの子供が王となっていくことを暗示しているのだろうけれどイマイチ中途半端だったような。
映画史上最大規模のセットという巨大なピラミッド建設ではマンモスを使っていたりとビックリ映像も登場。全体的にストーリーは分かりやすいが、当時の預言者の巫母が絡む終盤の驚く展開にはそんなのあり?と思ったが「伝説」として受け止めあまりつっこまないほうが良いのかも。





2008/5/1 【 うた魂♪ 】

うた魂♪」を観た。
‘合唱’をテーマに、歌声とルックスに自信満々で「歌っている私が好き」というナルシストで目立ちたがりの女子高生(夏帆)の成長を描いている。随分イヤな女子高生かと思いきやあまりに天然なのでなんか笑っちゃう。
思い上がったヒロインがぺちゃんこに凹みそこから立ち上がっていくという展開はありがちながら、この映画を何倍も魅力的にしているのは何と言っても脇役ゴリの存在。ヒロインにカツを入れ影響を与える1972年生まれ実年齢35歳が演じる17歳のサバ読みオッサン高校生の存在感は最高のスパイス。「真剣十代」と称して熱く語る姿は、オッサン高校生だからこその圧倒的パワーと説得力。ゴリ凄い!!不良高校生の見た目と何故かちゃんと筋の入った会話のギャップなどコミカルさをちりばめながら、♪尾崎豊♪の曲で見せ場を作っている。
この映画を観て思い出したのが、ムスメ達の学校での合唱コンクール。まだ恥じらいの1年生から完成度の高い3年生までそれぞれに拍手だった。何かに真剣になっている姿は感動を与えてくれるものだ。
この映画のために書き下ろしたというのがゴスペラーズの♪青い鳥♪。サービス出演なのか?ゴスペラーズはコンクール審査員として出演している。





2008/4/24 【 悲しみが乾くまで 】

悲しみが乾くまで」を観た。
「チョコレート」を彷彿させるようにハル・ベリーがここでも家族を失った悲しみを演じている。ハル・ベリーの夫=デルトロの親友。ということでハル・ベリーの喪失感を分かち合える存在として親友を失ったヤク中の男をデルトロが演じている。
それにしてもなんかこの邦題「悲しみが乾くまで」はセンスない上に、キャッチコピー「そう、きっとあなたを利用した」も違和感がある。原題はTHINGS WE LOST IN THE FIRE。この「火事で失くしたもの」 については深く触れているシーンがあるので感慨深い。
てっきり「親友の妻」と「夫の親友」というラブ・ロマンスかと思っていたけれど、良い意味で期待を裏切ってくれた。これはそんな軽いもんじゃなく、終始人間の喪失と再生を描いているのが素晴らしい。
身勝手に当り散らす未亡人の行動は確かに行き過ぎているけれど大事な人を失うと人間は壊れるもの。それが我が身に理解できるからこそデルチオはそれを受け入れられる。二人の迫真の演技はあまりにリアルであまりに悲しくピリピリした空気がはりつめている。大事な人を失うとここまで残されたものの心は悲鳴をあげるものなのだ。
遺品を捨てるに捨てられないハル・ベリーの姿は私達にそのまま当てはまる。こーいう映画を観るにつけ思うのは、自分が逝った後、遺品を片付ける人の負担を軽くしてあげたいとか・・。生きているうちに身辺整理しようかな・・・とか。あまりに身につまされるシーンに圧倒された。
そしてヤク中のデルトロは、ドラッグの後遺症や廃人同様の姿を圧巻でみせてくれた。「Accept the good」 善は受け入れろをフツウに言える人でありたい。





2008/4/23 【 プライスレス 素敵な恋の見つけ方 】

プライスレス 素敵な恋の見つけ方」を観た。
本国フランスでは200万人を動員したラブ・コメ。
「プライスレス」で思い浮かぶのが「pricelessお金で買えない価値がある、買えるものはMaster Cardで」のCM
ということで冒頭からMaster Cardでブランド品買い物しまくり。スポンサーがMasterCardだしぃ。
ヒロイン(オドレイ・トトゥ)は玉の輿を狙って生きる女ジゴロ。むっちゃ豪華でセクシーなドレスは大胆すぎる気もするけれど・・・(-_-;)
美しいリゾート地でヒロインに翻弄され成り行きでジゴロになっていく高級ホテルのウエイターがなんだか気の毒でいながらユーモラスに描かれる。ヒロインのレクチャーで次第に洗練されていく変身ぶりが見もの。このウエイターが確信犯的な意地悪さも含めて女ジゴロのヒロインをありのまま受け入れている。
で、この2人を取り巻くセレブな人々が半端なく、特にエルメス主体のおフランスのマダムの貫禄はさすがだし、マダムからの戦利品の3万ユーロ高級腕時計(ジャガー・ルクルト)は、ななななんと約435万円だとか。モナコの超名門ホテルの最高級「オテル・ド・パリ」を舞台にしていることもあり、実在の絢爛豪華なレストランでのキャビアetcあれもこれもが、ハイ目の保養になりました。
一流品のオンパレードの中、1ユーロのコインが鍵となっているのが味わい深い。





2008/4/21 【 ランジェ伯爵夫人 】

岩波ホールで「ランジェ伯爵夫人」を観た。
原作はバルザック。
19世紀前半のパリを舞台にランジェ公爵夫人と将軍との恋愛を描く。公爵夫人は何故か気を引くだけ引いて思わせぶりぶり。いかにも文学的な台詞で2人だけで室内で話すシーンが大半を占めているので会話の駆け引きがこれでもかと続く。
夫人は恋愛ゲームとして楽しんでいるのだろうけれどこんな女性を相手にしていたらたまったもんじゃない。しかも相手は無骨で戯れとは縁のない気性。
「追えば逃げる。逃げれば追う。」の言葉通りに、この2人の立場は入れ替わっていく。何事も過ぎたるは及ばざると言うではないの。上手くいくこともできた恋愛を何故にここまでややこしくしたのかランジェ夫人は自業自得。
社交界と修道院という両極端な世界に渡ったなんとも波乱万丈の恋愛だった。





2008/4/20 【 王妃の紋章 】

王妃の紋章」を観た。
チャン・イーモウ監督作では「HERO」「LOVERS」系のハデハデな大作。
この映画の王宮は「始皇帝暗殺」撮影に建てられたものに手を入れて使ったそうだ。中国で制作費50億かけて史上最も華やかな唐王朝を描き出した。18金づくしの金の円柱600本・金箔・金糸ect、豪華な衣装3000枚、1キロもの絹の絨毯、12000平方メートルの宮殿エリアを埋め尽くす300万本の菊の花・・・目がチカチカするくらいピカピカでキラキラで豪華。これがCGかと思っていたらぬぬぬあんと実写だそうで驚いた。お金遣いが荒すぎるってば(-_-;)
菊の節句である重陽の節句(9月9日)の血まみれの宮殿の広場を、何事もなかったように片付けてまた菊の花が敷き詰められていく光景が昨今の中国とリンクするようで印象的。
大スケールで敵対する王と王妃に子供達が絡む究極のドロドロ家族。こんな家族に命を捧げる兵士達があまりにもお気の毒。





2008/4/20 【 フィクサー 】

フィクサー」を観た。
タイトルのフィクサーとは‘もみ消し屋’。悪徳企業の社員も弁護士も、組織の1コマとしての正義がある。それは生きていく為の善悪では割り切れないサラリーマンの限界というものなのだろう。どんなに腑に落ちない仕事でも組織に従うことは自分を守ることでもある。
主演のフィクサー弁護士(ジョージ・クルーニー)も敏腕弁護士(トム・ウィルキン)も農薬会社の宣伝総括(ディルダ・スウィントン)も同じ穴のムジナ。生活を捨てても自分の正義を通すかどうかが人間性の鍵になっている。
だからこそ敏腕弁護士が長年の良心の呵責に耐え切れずとった勇気は半端ないことと思いながらも、公判中に服を脱ぐとか原告の女性への態度とか悪徳企業への脅迫電話とかetc行動が幼稚なのが う〜ん(-_-;)
一方アカデミーの助演女優賞を受賞したディルダ・スウィントンは告発される会社の宣伝総括として、隙のない企業の顔でいながら実は仕事のプレッシャーでの苦悩を体現している。
主演のフィクサーはもみ消し屋として敏腕なところが発揮されなかったせいか存在感が弱く、感情移入もし難かったような・・・。





2008/4/18 【 潜水服は蝶の夢を見る 】

潜水服は蝶の夢を見る」を観た。
身障者を内側からとらえる映像。
先日観た
「クローバーフィールド HAKAISHA」も体験型映像だったけれどこちらも主人公目線。こーいう映像はダメな方にはダメだろうけれど臨場感は圧倒的。
実在したファッション誌「エル」の編集長ジャン・ドミニク・ボビーが脳梗塞で片目のまぶた以外の自由が効かなくなってしまった。天国から地獄とはこのこと。アタマがしっかりしているだけにこの置かれた状況には言葉を失う。
20万回にも及ぶまぶたの瞬きだけでアルファベットの中から単語を選び書き上げた自伝の映画化。世界31ヶ国で出版されフランスでは14週連続1位を記録した大ベストセラーだという。
この変わったタイトルの意味は映画を観ているうちに次第に理解できる。主人公の言葉では「身体は‘潜水服’を着たように重くても、ぼくの想像力と記憶は、‘蝶’のように自由に羽ばたく―。」とある。なんて奥深い意味があるタイトル・・・胸がつまる。
年老いて家から出なくなった主人公の父親・愛人との会話の手助けをする妻・あきらめずコミュニケートする言語療法士などを絡め、奇跡の人生を死と向き合いながら過ごした凄まじい主人公の人生を愛・夢・ユーモアでありのまま描いている。





2008/4/12 【 クローバーフィールド/HAKAISHA 】

クローバーフィールド/HAKAISHA」を観た。
徹底した秘密主義の下、映画史上初めてタイトルも隠した映画としても話題になっている。
この素人ビデオ撮影に関しては「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が引き合いに出されているようで85分間手振れのホームビデオ映像はこの段階でダメな人にはダメでしょう。私はこの手振れ画像はもちろん得意ではないながらあまりの臨場感あるコワさに酔うことも忘れた。「ブレア・ウィッチ」との違いをハリウッド大作が見せ付けてくれたような。
命の危険を感じながら何が起きているのか分からないながらパニックになる様子はNYで9.11のテロともリンクする。
冒頭の人物紹介も兼ねたパーティーシーンの後、怪獣?巨大生物?の正体が一切わからないままラストまで極限の緊張感が続く。
結局アレは何だったのかわからないけれど、この映画に感してはそれが謎のままで良い。わけわからないのが一番コワいんだもの。こーいう体感型映画が今年風なのかも。「良い1日だった」というラストの台詞も秀悦。





2008/4/11 【 ぜんぶ、フィデルのせい 】

ぜんぶ、フィデルのせい」を観た。
1970年代初頭のパリで裕福に何不自由なく育ってきた9歳のアンナが主人公。自分の知らないところで両親が社会運動に傾倒していくことで否応なく大人の都合でこれまでの生活がみるみる変わっていく。それもこれも「ぜんぶ、フィデルのせい」なのだ。このフィデルとはフィデル・カストロ。そうあのカストロのことだとは・・・。なんとも面白いタイトル。
この映画ではアンナが仏頂面で反抗する。このアンナの膨れっ面が可愛い。プラス暮らしが一変しようとも、いかにもパリに暮らす子供らしくファッションセンスは終始楽しめた。
親の都合という意味での社会背景はかなり難しい。70年代のフランス・スペイン・チリ・ギリシャ・ベトナムの時代背景も分からないし、アンナが言う「キョーサン主義」のフランスの反体制(共産主義や社会主義)運動やアジェンデ政権・人工妊娠中絶の権利を求めるウーマンリブ運動に関しても知識がない。
この映画を理解するのはかなり自分のレベルが低いということになるけれど、難しいことはさておいて大人の都合で子供の環境を変えるというのはまさに実体験。どこの国でも子供の立場は弱いもので子供はそれに適合していくしかない。この作品はその子供が大人の都合を自分なりに理解して受け入れていくという柔軟性を描いていた。





2008/4/6 【 マイ・ブルーベリー・ナイツ 】

マイ・ブルーベリー・ナイト」を観た。ぬぁ〜んておしゃれでスタイリッシュな映像なのでしょう。これがウォン・カーウァイ色というものなのか。
NYで失恋し立ち直る為に旅に出ていく主人公を歌姫ノラ・ジョーンズが演じている。フツウっぽくてとても自然体で好感が持てた。
旅先でもしかしたら主人公以上に痛い心の傷をかかえた人々と出会う中、主人公がこの過程でどう成長して乗り越えたのかは分かり難かったけれど、痛い人々それぞれがそこに留まらない様子を目の当たりにすることで自分も1歩踏み出せたということかもしれない。
タイトルにも入っているブリーベリーをサーブするカフェの店主をジュード・ロウがとても魅力的に演じている。子供の頃母親に「迷子になったら探しにくるまでそこで待っていなさい。」と言われた話が伏せんのひとつにもなっていて、ここでも「待つ男」だ。ジュード・ロウといえば昨今髪が後退していたのが気になっていたが、本作では何故かふさふさで若返ったみたいな() 
NYに帰ってきた主人公のbagがヴィトンだっただけにエンドロールに大きく「ルイ・ヴィトン」が表示されていたけれど、先日観たばかりの「ダージリン急行」もヴィトンが関係していたし、ヴィトンは映画とのコラボに力を入れているのかしら?
1年くらいの旅の間の葉書でこの2人の距離がどう縮まっていったのかは、まぁ当人のみぞ知るというところで、失恋から立ち直るにはやはり次の「恋」が一番なのね〜。





2008/4/2 【 SweetRain死神の精度 】

Sweet Rain 死神の精度」を観た。
金城武が人が死を迎えるまでの7日間を観察し死の執行or見送りをジャッジする死神を演じている。
人間に興味ゼロという死神の役故からかあまりに棒読みなのも役作りなのか?人間への反応がないのは良いとしても会話のズレは笑いどころなんだろうけれど笑えない。(-_-;)仕事の合間に大好きなミュージックを聞くのが唯一の楽しみという死神はターゲット3人のそれぞれの時代(1985年、2007年、2028年という設定らしい)にミュージックを楽しみそのシーンでそれぞれの時代考証を描いている。
この映画は3つの話がオムニバスのように展開していき実はリンクしているというもの。
が、それにしても・・・3つ目に登場の富司純子はミスキャストではないでしょうか?人の人生には色々あって性格もその中で変化するとしても、もう少し伏し目がちで気配りがあっておどおどしているカケラでもないとしっくりこないのよね。3つ目に登場するロボットも違和感ありまくりで無いほうがマシ。しかもロボット以外で20年後を想像するのは難しいし・・・。映画は消化不良ながら、これは映画ではなくTVドラマでシリーズものとして細切れにした方が正解かも。





2008/4/2 【 ダージリン急行 】

ダージリン急行」を観た。
本作の前に15分程の短編映画「ホテル・シュバリエ」が上映される。終わったハズの元彼女との再会で翻弄される男(ジェイソン・シュワルツマン)のはっきりしない心情がユーモラスに描かれている。
この男が本編では3人兄弟の末子で登場し、ちゃんと本編とリンクしているのがなかなか・・・。
3兄弟のビミョウな距離感がこの作品の雰囲気を示している。育児放棄のばっくれ母親も一癖ありで、母親のDNAを一番多く受けついだワンマン長兄(オーウェイン・ウィルソン)にマイ・ペースな次兄(エイドリアン・ブロディ)、そしてとぼけた末弟による3兄弟のインドの旅があくまでもゆる〜く淡々と描かれている。ある意味このロードムービーは脱力系に入るのかも。
インドはハードルが高くなかなか自分の足で踏み入れるには勇気と決断がいる国ではあるだけにリアル映像には興味津々。有名観光名所のタジ・マハールやガンジス河ではなく、人々の暮らしや風景を軸にしているようだ。
兄弟が持ち歩く10個のオレンジ色の旅行バックには動物とヤシの木が描かれていて印象的。なんとこれはこの映画のために作ったルイ・ヴィトン特注品だそうで、ラストに待ち受けるこの高級旅行バックの運命をお楽しみに・・・。





2008/3/22 【 チャプター27 】

チャプター27」を観た。
1980
128日に起きた、元ビートルズのジョン・レノンを射殺したマーク・デイヴッド・チャップマンの殺害に到るまでの3日間を描いている。タイトル「チャプター27」は、現場にいた時に手にしていた「ライ麦畑でつかまえて」が全26章からなっており主人公がNYを3日間放浪するという話でチャップマンとリンクしているところからつけられたその次の章ということらしい。198011月にリリースされ遺作となった♪ダブル・ファンタジーは私も何度も何度も聴いたものだが、このジャケットにチャップマンはジョン・レノンからサインを貰い犯行は同日の数時間後というのがなんとも理解できない。熱狂的なジョン・レノンの1ファンが何故・・・?この映画を観ても決してジョン・レノンは何故殺されたのか?の謎は解明できない。ヨハネの福音書JOHN(ヨハネ=ジョン)の所にLENNONと書き込んだり、インタビュー記事を読み裏切られたと思い込んで次第にとり憑かれていく様子を描いているが、あまりにチャップマンの頭の中は混乱していて殺害理由が理由になっていない。この理解できない主人公の闇を細身のイケメン俳優ジャレッド・レトが体重を30キロも増やしチャップマンになりきって演じている。これは凄い。太鼓腹と白いブリーフ姿からはイメージが違い過ぎてただただビックリ。





2008/3/18 【 魔法にかけられて 】
魔法にかけられて」を観た。
ディズニーが自らの作品を自虐ネタにした作品。会場はディズニーとプリンセスに憧れる女の子が多かった。
「白雪姫」「シンデレラ」「眠れる森の美女」「美女と野獣」「リトル・マーメイド」etcちょっとした要素がリンクしている。私も女の子を育てた一人としてこれまでディズニーものは制覇しているし、観た方の評価がとても高いので期待したものの・・・それほどでもなかった(-_-;)  
主人公(エイミー・アダムス)と王子(ジェームズ・マースデン)はアニメのイメージそのまま愛すべき天然キャラでそつなく演じていた。悪役が板についた従者(テモシー・スポール)は本当にこーいう役をやらせたら天下一品。そしてなんと言ってもシマリスのピップは可愛い。
ただどーしても ロバート役のパトリック・デンプシーが苦手なのよね。私も現在もはまっている米ドラマ「グレイズ・アナトミー」で人気急上昇ということだけれど、この人ってイケメンかもしれないけれど市川染五郎系の顔でどーも好きになれない。まぁ2人の女性の間でビミョウな立場のモテ役というのはドラマと同じか()
女王との戦いが中途半端で意外とあっけなく、ハッピーエンドのラストも強引に思えた。




2008/3/16 【 バンテージ・ポイント 】
バンテージ・ポイント」を観た。
タイトルの意味は「視点・観点」。
「大統領を撃ち抜いた1発を、あなたは8回目撃する。」というキャッチコピーにあるようにそれぞれ見たものが食い違う8つの視点を描く。
事件が起こった23分間にそれぞれが体験した事実を異なった視点から追っていく。その都度時間は巻き戻され少しずつ新たな真相が現れ徐々に真実がみえてくる。上質なミステリーを見ているような気分。
巻き戻しは5人目に大統領の視点になりその後はスピード感あふれる追撃やカーチェイスでテンポよく1時間40分はあっという間。
プラカードをかかげアメリカの対テロの陰に経済戦略があることなど米国側の責任へ批判的な群衆の様子も織り込んでいるのが興味深く、アメリカの読みを上回る裏の裏をかくという脚本は面白い。
豪華な出演者の中注目していたのがシークレットサービスのデニス・クエイドの同僚役のマシュー・フォックス。米ドラマ「LOST」主演しているが、先の読めない展開という意味ではドラマとリンクしている。あ〜「LOST」の続編が待ちきれないゎ。





2008/3/9 【 明日への遺言 】

明日への遺言」を観た。
第二次世界大戦後、戦犯裁判でアメリカを相手に無差別爆撃をは戦犯行為に当たるのか否かで法廷闘争をした司令官岡田資を描いている。
岡田資のフェザーストン弁護士が米国人であるにもかかわらず敗戦国の元軍人の為に一生懸命弁護する姿は目からウロコ。アメリカ人の徹底したフェアプレーに脱帽。
この作品は法廷シーンがほとんどで、裁判が進むにつれ岡田資という人物の毅然とした態度と健全さに、検察官や裁判官も含めて観客も人物像に胸を打たれていく。品格は人を動かすのを実感。
どうしても藤田まこと=「はぐれ刑事」のイメージ。そちらに関わってきたカメラマンが今回も支えたというし全体的な印象も実直な人柄の良さという意味でもリンクしている。
私は泣かなかったけれど「本望である」と言い13階段へ歩いていく後姿に涙する人も多かった。
藤田まことの存在感の陰で富司純子・西村雅彦・蒼井優・田中好子といった脇役は印象が薄い。
気になったのは竹之内豊のナレーションに力が入りすぎていたこと。





2008/3/7 【 ジャンパー 】
ジャンパー」を観た。
凝った予告編で相当の期待をもっての鑑賞・・・が、何これ?主人公が軽薄なアホな犯罪者なので魅力ゼロ。
‘ジャンパー’vs‘パラディン’の構図。ジャンパーはイケメン俳優(ヘイデン・クリステンセン)が演じパラディンはいかにも悪人顔のサミュエル・L・ジャクソンが演じているので、パラディン=悪かというとそうではない。好き勝手やっているジャンパーに問題があるので、ある意味追われるのは当然かも。ということで一体どっちが悪なんでしょう??
世界中をロケした観光名所巡りだけは確かに面白かった。エジプトのスフィンクスの上・ロンドンのビックベン・オーストラリアでのサーフィン・ローマの遺跡etc・・・なんと日本の銀座・新橋・秋葉原・渋谷にもジャンパーが出現していたのには驚いた。
オバカな若者が次第に自分の能力を個人的にではなく崇高な目的に使っていくようになるというアプローチとしての1作目ならまだしも なんか今後が心配。




2008/3/1 【 ライラの冒険 黄金の羅針盤 】
ライラの冒険 黄金の羅針盤」を観た。
3部作で制作費250億円もの作品の初作。昨年末から、映画館に行くたびに何度も予告編で流れていたがそれ以上のものはなかった(-_-;)。話題性ばかり先行してしまったのかも。
ダストとは?ダイモンとは?の重要な部分はオープニングの説明にあるので最初が肝心ながらあっさりし過ぎ。
ライラだけに読み解けるという「黄金の羅針盤」という設定のせいか、観客にはライラに何が見えたのかスクリーンではよく分からずライラの台詞に頼っているのもイマイチ。
「チャーリーとチョコレート工場」の子役フレディ・ハイモアも楽しみだったが、アレこんな顔だっけという印象で今回は別人のようで可愛くない(-_-;)。
せっかくのダイモンなる守護精霊といった設定も、なんでいるのかがわからないくらいというか・・・なんか邪魔(-_-;)。こー思えたってことは原作の良さを活かしきれていないからなのかも。
とにかくハラハラドキドキもなく物語がどどど〜〜〜んと進んでいってしまったという感。




2008/2/28 【 いつか眠りにつく前に 】
いつか眠りにつく前に」を観た。原題は「Evening」。
邦題のいつか眠りにつく前にの‘眠り’とはまさに‘死’。
若い頃の夢にやぶれ、結婚にやぶれ、生活に追われながらもなんとか子供も自立しそして年老いて死の床で混濁した意識の中、人の心には何がよぎるのか?理想とは違ってしまった自分の人生をどう捉えるのか?とても深い映画だった。思うようにはならないのが人生・・・果たせなかった夢・罪の意識・後悔etcそれでもその人生は失敗ではないというメッセージが静かにじわりじわりと伝わってくる。
老婦人のヴァネッサ・レッドグレーヴとメリル・ストリープがそれぞれの実の娘と共演を果たしているのも話題になっている。ベッドで顔を見合わせて会話を交わすシーンは圧巻。さすが大女優。
ファーストシーンとラストシーンの海辺のシーンは、強烈な憧憬がどう闇に包まれていくのか・・・そして・・・どう新たな輝く朝をむかえるのか・・・と、人生を象徴した素晴らしいものだった。




2008/2/23 【 マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋  】

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」を観た。 
子供の目線から見た‘おもちゃ屋’の楽しさが溢れている。ここまでパワーアップしたお店は現実離れながらも、子供達のキラキラした目の輝きはまさしくリアルだ。おもちゃ箱をひっくりかえしたようなこのお店は、もはや忘れ去れがちな子供の心を思い起こさせてくれ退屈させない。おもちゃだけではなく建物自体も命があるように表情を見せ色彩がないとまるで廃墟のようになる演出も面白い。
ストーリー自体は特別魅力あるとは思えなかったが、飄々としたダスティン・ホフマンが主張し過ぎないのが良かった。
何度か登場するぬいぐるみの表情が印象的。おもちゃ(人形)は大事にしなくちゃ!





2008/2/19 【 エリザベス:ゴールデン・エイジ 】
エリザベス:ゴールデン・エイジ」を観た。
ケイト・ブランシェットがオスカー候補になった「エリザベス」を再び演じた続編。ヴァージン・クィーンとして生きるエリザベスがスペインの無敵艦隊を破り黄金期を描くまでを描いている。
眉を剃り、髪を短くし、白塗りの姿はまるで冒頭の肖像画そのもの。華やかな宮廷生活やゴージャスな衣装も見応えあり、女王の知己ある受け答えや堂々とした姿には感心するばかり。
はりめぐらされる政略や崖っぷちの戦いと恐怖、そして女性としての葛藤・・・そんな中でも勇ましくふるまうケイト・ブランシェットは前作と本作でエリザベス1世の魂が降霊したかのような存在感を見せている。
世界最強のスペインとの闘いに天(天気)も味方したというも黄金時代=ゴールデン・エイジを築く女王のエピソードとして興味深い。




2008/2/9 【 アメリカン・ギャングスター 】

アメリカン・ギャングスター」を観た。
1970年代に実在した悪党ながら生真面目な麻薬王を善の役柄のイメージに強いD・ワシントンがそのイメージのままで、彼を追い詰める刑事を善の匂いのしない風貌で仕事だけは真面目というラッセル・クロウが演じている。
大金を発見した時もねこばばしなかったという武勇伝が何度も出てくるあたりにこの当時の腐りきったご時勢が現れている。他国ながらも救いようがない警察のご事情には呆れるばかり。
ラッセル・クロウの中途半端なロン毛のオバちゃんヘアにビール腹という風貌がキャラをよ〜く出している。役作りの為のこの身体だとしたらお見事。ある意味こーいうのをださかっこいいと言うのかも。
麻薬王vs愚直な刑事軍団プラス悪徳刑事という構図はこれが実話というだけにやりきれない。「勝って敵をつくるか、負けて友をつくるか。」をはじめ渋い台詞が印象的。
異端児同士の2人が向き合った時、今まで誰にも味わったことがない相手への畏敬と人間性の根底に通じ合うものを見つけたハズ。立場が立場なら親友にもなれたであろう無骨な男同士のドラマだった。





2008/2/5 【 陰日向に咲く 】

劇団ひとりのベストセラー処女小説が原作の「陰日向に咲く」を観た。
原作はついに発行部数100万部を超えた大ベストラー。

のっけのジャムパン・とろけるマンゴー・ビックコミックスピリッツで拍手!小市民ネタをしっかり抑えているではないの。(因みにビックコミックスピリッツではテレビドラマ化映画化された作品が多く掲載されていた。例 あすなろ白書・いいひと・最終兵器彼女・鉄コン筋クリート・東京大学物語・東京ラブストーリー・奈緒子・永沢君・ピンポン・ぼくんち・めぞん一刻・YAWARA!etc
タイトルの「陰日向」のごとく、東京で生きるどこか日の当たらない人々の群像劇。心に何かをかかえた不器用な各々はどこかほっておけない。サブタイトルに「ひとりじゃない」とあるように1人じゃないと思える奇跡が起きていくそれぞれのエピソードに切なくなった。
そんな中、秋葉系アイドルヨタとアイドルのエピソードだけ独立していることに違和感が残った。しかもこれで終わりのような思わせぶりのシーンが何度もあり、エンディングに何度もフェイントをかけられている気も。全体的にはまとまりに欠けるような印象。
帰宅して原作を読んだ。
改めて気がついたのは原作の表紙の強烈な印象を残す古いアパートがちゃんと映画でも使われていたこと。
なんと・・・映画で違和感があったモロモロの点が原作ではきっちり消化される。原作では秋葉系アイドルヨタとホームレス系の面々がうまくリンクされている。
主人公を賭け事から足を洗えないシンヤにし岡田准一を起用したのはともかく、アイドルヨタを一見イケメンの塚本高史にしたのはミスキャストではないかと思える。もっとヨタっぽければ原作にあるホームレスとの接点も描けたのかもしれない。
ということで逆に原作の巧さを実感した。





2008/2/3 【 結婚しようよ 】

佐々部清監督が全編を吉田拓郎ソングで綴りたいという30年来の夢を実現した「結婚しようよ」を観た。
三宅裕司演じる平凡なサラリーマン一家の物語。
♪落葉♪から始まり、全編を通して吉田拓郎本人の曲以外にも、拓郎を歌うストリートミュージシャン、バンド活動している次女役の‘中ノ森BAND’のAYAKOさんらの20曲の拓郎ソングが流れる。♪やさしい悪魔♪も拓郎だったとは知らなかった。2006年秋、31年ぶりに行われ35000人のファンを集めた‘つま恋コンサート’のステージもおまけ。
映画館で隣のお父さんが、主人公の姿に共感してか、何度も鼻をすすって泣いていたので、そっちばかり気になってしまった。
まぁ監督はジョークでR45と拓郎世代を推奨しているだけあって、家族のために働き詰めで生きてきたお父さんや年頃の娘を持つお父さんにはたまらないのかも。
青春時代に拓郎が流れていた時代ならまだしも、初対面の他人を招き入れる・家族揃っての夕食・好きな人への手弁当・仕事の顧客との個人的交流などの各エピソードも現代ではなかなかあるようでないような・・・、その時代の違和感を緩和してくれているのが全編に流れる拓郎ソングかもしれない。残念だったのが真野響子のウェディングドレス。髪型といいまるで卑弥呼みたい(-_-;)で変だった。
私自身は特にファンではないけれど、中学時代に仲の良かった友達が拓郎の大ファンで、彼女がギターを弾きながら歌っていたのをよく聞いた思い出がある。ということで特に往年のファンでなくても、親世代が青春時代をどう過ごし、今何を大切に生きているか、そして老後をどう生きるかまでを感じることができる作品になっている。





2008/2/3 【 テラビシアにかける橋 】

テラビシアにかける橋」を観た。
昨今ファンタジー映画が続々公開されているが、原作はファンタジー小説ではなく、児童小説の名作だという。現実に根ざした子供達の冒険ドラマ。
現実がなんとも痛烈で、主人公ジェスの家庭は日々生活に追われる労働者階級であり、学校もトイレに行くのにお金をまきあげられるのが氷山の一角で然り・・・。この救いのない中で出会った転校生の少女と自分達だけの空想の王国を守り育てていく様子が描かれる。
二人が作った秘密基地や広がる想像力の世界は決して遠いものではなく、自分もかつて経験した子供の頃のワクワクした秘密基地ごっこの延長。
子供特有の世界観と現実の厳しさを対比させる中で、怒ってばかりの先生や父親etc大人の描き方もとても丁寧で良かった。
ラストに「テラビシアにかける橋」のタイトルの意味が明かされる。テラビシアの姫への展開はちょっと不可解ながら懐かしさに共感できた。





2008/2/2 【 ラスト、コーション 】

ヴェネチア映画祭で金獅子賞を撮った「ラスト、コーション」を観た。
諜報活動で敵方の重要人物に近づく所謂‘ハニートラップ’といえば昨年観た「ブラック・ブック」が浮かぶ。ということで、スパイとして一人の女性がどう翻弄されるかというこの種のストーリーは目新しいものではなかったような。
ただ
総製作費40億円をかけたという 日本軍占領下の香港・上海の街並み・重厚感ただようお店や部屋のインテリヤ・格調の高い音楽etcの映像美はノスタルジックで見応え十分。アン・リー監督の細部へのこだわりが伝わってくる。中国本土で異例の物議をかもしているシーンの中、ヒロインが腋毛を剃っていない状態ってのも演出のひとつだとしたら畏れ入るというよりマジで引く(-_-;)
いくら かのトニーレオンが演じても特務機関長の役柄がイマイチ魅力に欠けるせいか、、ヒロインが惹きつけられていく肝心なところの理由がよくわからなかった。





2008/1/20 【 スウィニートッド フリート街の悪魔の理髪師 】

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」を観た。
ジョニー・デップとティム・バートン監督の名コンビの本作は「スプラッター・ミュージカル」。
猟奇的なシーンが多いので好き嫌いが分かれそう。とは言っても血が多い割にはサクっサクっと殺していくのであまり怖さもグロテスクな感じもしなかった。
あくまで冷静に切なさと狂気を演じるジョニー・デップは歌も初披露。ミュージカルといっても出演者の歌は、特別上手いという程ではないにしろそれぞれ安心して聞く事ができた。
スウィーニー・トッドにひけをとらないアクの強い不気味さをかもし出している女優のヘレナ・ボナム=カーター演じる恋するラベット夫人の妄想シーンがあまりに乙女ちっくでクスクス。
ダークな世界に血の赤が一段と鮮やかで、この作為的な色彩がホラーとは違う美意識を感じさせるバートンワールドへいらっしゃいませ。そして、永遠にさようなら。





2008/1/19 【 パンズ・ラビリンス 】

パンズ・ラビリンス」を観た。
2006年度アカデミー賞で撮影賞・美術賞・メイクアップ賞の3部門受賞の他に各地の映画賞に輝いた映画。
「ダーク・ファンタジー」と言われる本作はPG-12指定が大いに納得で、子供が観る可愛いファンタジーの類ではない。正視に堪えられない程「現実」は残酷で地獄絵。行き場を失った現実から幻想の国で永遠の幸せを探そうとする少女が課せられた迷宮への試練も過酷。ベトベト・グロ・etcダークな映像をてんこ盛りにして残酷な現実と怖いおとぎ話が絶妙なバランスを保っている。
因みにタイトルにもある‘パン’は牧神。
少女の無垢さと大人のエゴをこのような観たこともない世界観で作り出したメキシコ出身というギレルモ・デル・トロ監督は凄い!。
あまりにも妖しく美しく哀しく痛々しく切ない作品だった。





2008/1/12 【 ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 】

ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記」を観た。
邦題に何故かリンカーンとついているけれど、リンカーン暗殺に直接関係無いので紛らわしい。
ニコラス・ケイジ演じる天才的頭脳を持った主人公の天才歴史学者にしてスゴ腕トレジャー・ハンターの謎解きがスピーディー。豊富な知識でどんな謎もサッサと解明。お見事!!と言いたいところだけれどあまりに都合よくコトが進み過ぎる。
それにしてもジョン・ボイト、ハーヴェイ・カイテイル、エド・ハリスと出演者が豪華。バッキンガム宮殿や自由の女神、4人の大統領の顔の彫刻が有名なラシュモア山などを舞台にしたのは楽しめた。
派手なカーチェイスやインディージョーンズを彷彿させる洞窟のシーンは大掛かりながら何故か安心して観られる。あっこれディズニー映画だったのね。というワケで冒険もまるでアトラクションに乗っているような感じ。





2008/1/6 【 長江哀歌 】
2006年ベネチア国際映画祭金獅子賞グランプリ受賞作「長江哀歌」を観た。
中国の一大国家事業の三峡ダム建設で沈みゆく街とそこに生きる市井の人々を描いている。中国の今を知るという意味では大変参考になったが、ストーリーは添え物程度で、淡々としたドキュメンタリー映画を観ているようであまりのゆるいテンポについうとうとzzz。眠ってしまったため見逃したシーンを影武者さんに聞きたら、影武者さんも寝てしまったとかで解明できず(-_-;)
撮りようによっては大河長江の素晴らしい景観を楽しめることもできただろうけれど、全体的な色彩トーンがなんとも地味なのが残念。途中全く意味不明な抽象的なシーンがあり、それがわからないままになっているので、全体的にう〜〜〜ん難しい。






home

Copyright(c)1999-2008 RYM Country Valley.All rights reserved.